相沢雅樹

『正義のヒーローになりたい』
幼馴染の前で臆面も無くそんな事を言えたのは、何歳の頃までだったかな

備考

一応大きな戦いなども報酬目当て(死んだ他人の持ち物回収やその際に出向く場所の物資回収)のためにある程度出てきているので、知っている人は知っているかもしれません。
死体から物を剥ぎ取っている屑野郎なので、知っている人は侮蔑の意味を込めながら渾名を付けてくれると嬉しいです。



名前 相沢 雅樹(あいざわまさき)
渾名 《追剥さん》  ※多分増えるよ!
性別 男性
年齢 20~23
身長 172㎝
体重 64㎏
陣営 人間(月装)

【容姿・性格】

基本的な東洋人に共通した〝黒髪〟と〝黒目〟を特徴に持つ。
後述する月装であるライダージャケット、ジーンズ、ブーツ、喧嘩グローブを嵌めた目つきの悪い男。
あまり体に食料が回ってないのか若干線が細く、筋肉質ではあるものの強そうには見えない。
指輪が通されたチェーンネックレスを服の中に隠している。


性格は自己中心的で自分勝手、自らの都合のいいようにすべての物事を解釈し。全ての人間が自分を蔑視していると思い込んでいる。
自らの環境故輝いている(良くも悪くも〝生きている〟)人々に憧れ、それらと同等になれない自分を恨み。転じてそれを当人たちへとぶつけようとする。
基本的に他人を信用していない。優しくされること自体はものすごくうれしいのだが、その後「何故優しくしてくれるのか」と疑心暗鬼に陥り
結局のところ単純な善意で近づいてくれた人間に対してまで敵意を向ける。だれも信用しないから信用されず、信用されないから信用しないという悪循環。
以前は月装すら着用できない〝凡人〟であったために才能のある人間に対し強い憧れと嫉妬を抱く。これは輝いている人間たちにしても同じで
自らが出来ない事、自らが恐怖して出来ない事を他人の所為に当てはめ。自己を正当化し正気を保っていると〝思い込んで〟いる

+ ...
高校三年生の夏に、彼の住んでいた場所は魔獣によって壊滅した。だが、彼だけは生き残る。
それは偏に幼馴染である彼女が持っていた焔装の力のお蔭であり、彼には力というものが欠片たりとも存在しない。
普通の生活を普通に生き、勉学に適当にはげみ、適当な結果を残し、適当な未来を思い描く。少し斜に構えた時代遅れの高2病。
なまじ平均程度の学力を持っていた所為でそのことに甘んじて努力もせず、気が付けば努力のやり方を忘れ、努力していくものに抜かれていく。
小さなころから適当で生きてきていた故に、適当以外の生き方を探れない。努力のやり方が分からないから、努力が出来ず、成長もしない。
只々以前は買っていた人物に負けていくという劣等感だけが刺激される。そう、彼は自身より勉学の出来ない物を見下していた。自身より人間的に価値が低い物を見下していた。
だが気が付けばどうだ? 何時の間にやら見下していた人間ばかりが前に立ち、夜のみとなった世界でたくましく生き続けている。彼とは違い、辛い中にも生きがいを見つけているように。
幼馴染もその一人。彼にはもったいないくらいの優しさを内包した少女で、唯一彼の事を肯定してくれている人物。昔からずっと、人の事を常に見下したような性格の彼に、寄り添ってくれていたのが彼女だった。
その時の彼は其のありがたみが分からず、何方かと言えば投げやりな、五月蠅い虫でも追い払う様な感覚だったのかもしれない。少なくとも表面上では、そういう風な感じに見えたのだろう。
彼女もその当たりは長い付き合いであるため承知の上。彼が本当は弱い人間であるという事を一番理解していたのは、恐らく彼女だった。親よりも、自分よりも。彼の事を見てくれていたのだから。
そしてその親が死んだ。魔獣に殺されて無残な挽肉と化していたのを下校中に見た。人間の血の香りなんて日常生活のちょっとした事故で嗅ぎ慣れていたはずなのに、胃を乱暴に殴り飛ばすような嘔吐感。
道端にみっともなく吐瀉物をぶちまけてはみたが、不思議とその後に来るはずの悲しみや苦しさというものが微塵も来ない。こんなにも簡単に人は死ぬ、そう考えると、涙がこぼれる事も無く。
寧ろその分彼女が涙を流していたのは記憶にも鮮明に残っている。何故、当人であるはずの自分が涙一つ出せないのに、彼女が涙することができるのっだろうか。少し、羨ましかった。
家もバラバラになっていたらしく、仕方がないので幼馴染の家に泊めてもらうことになった。持ち歩く荷物は通学カバンと、両親の形見だと言って渡された指輪が二つ。豪華な物ではないが其処まで安物にも見えず
常につけていても手に不自由さが無いよう配慮されていたものらしい。そうか、あの人たちは仲が良かったんだな。今更ながらそう思う。さて、これをどうしようか。好きな人にでも、上げてみようかな。
取敢えず幼馴染に母親の指輪を渡してみた。何で可は分からないけどまた泣いた。今度は自分も涙が出てきた。良く分からなかったけれど、一日で一年分くらいの涙を流したと思う。幼馴染も、最初は渋っていたが
最後には号泣して礼を言う。自分の勝手で物を押し付けるのになぜ礼を、と言うと怒られてしまった。左手の薬指に嵌めているその姿は、なんだか不思議と気分が良い。自分も付けろとその後無理矢理付けられたのは秘密だ。
彼女の容体が余り良くないらしい。最近は余り顔色が良くないと思っていたら、焔装の力を使って魔獣と戦っているのだという。聞いてはいたし、実際にその場面にも立ち合わせた事も幾度かある。
けれども、自分がいないところでもそれをやっていたなんて思わなかった。
幼馴染は優しい子だと最初に言ったと思う。そう、優しすぎたんだ。他人が困っているところを見たら放ってはおけないお人よしで、自分なんかと違って劣等感みたいな感情で他人を見下したりしない。とても輝いた人種。
彼女がとてもうらやましくて同時にすごく妬ましい。そのことを知ってか知らずか、こんな力は持っていても良い事なんて一つも無い。そう言ってお茶を傾ける。無論、分かっているさ。
でも、それでも自身に何もできないというのが耐えられない。月装と言うのも何度か試してみたが自分の才能と合致していないらしく使う事が出来なかった。自分が試した後の子が使えていたみたいだけど。
劣等感。客観的に見ると無駄でしかない、必要としない無駄な感情。其処から向上心に繋げる前向きなものでは無く、他者に対して悪意を向けるタイプのナニカ。小さい頃彼が嫌っていた大人そのものだった。
気付けば自身の一番なりたくない物になっている。だなんて嘘の話しだと思っていたけれど、どうやら本当らしい。嘘が嫌いで、正義一筋で、悪を倒すヒーローに小さなころなりたかったはずなのに
今では嘘ばかりついて、正義なんて幻想としか見れなくて、自らが猛悪でしかない。そんな人間になっている。確信した瞬間に全てを投げ出して死んでしまいたくなったのは、恐らく小さなころからのちっぽけなプライドだろう。
人はその小さな何も残らない物のために命を平気で捨てられる。馬鹿らしいと思っていた感情が自身の中にも存在する事を理解して、溜息。段々となりたくも無い人間になっていくのが良く分かる。
あの日からたった一年もたっていないのに、もはや自分は別人のようになってしまった――――いや多分、自分が被っていたメッキが剥がされてしまっただけ。ちっぽけなプライドを包むオブラートも、もう品切れみたいだ。
そして高校最後の夏。幼馴染は死んだ。それはもう呆気なく、淡々と、まるで自身の最後を望んでいるかのように…………。
脚色するのはやめよう。僕が殺した、僕が望んで、彼女も望んで、僕が、僕の手で、彼女の喉を閉め、呼吸をできなくさせて、殺した。馬乗りになって、泣きながら笑う彼女を見ながら。
焔装には制限時間というものがあるらしい。何度使用すればそうなるのか、何日たてばそうなるのかはいまだ不明で、解決法も一つとして見つかってはいない必然。魔獣と同等の力を震える代わり
その時間が来ればみな須(すべから)く魔獣へ堕ちる。例外なんて存在せず、偶然や軌跡などは一切ない。あるのは絶対的な法則と、薄気味悪く笑う赤い月。夜の世界に付は無かったはずなのに、何故かあの日だけは月が見えた。
多分厳格だろうとは思う。全ての世界が黒く、そして赤く見えた。きれいに映ったのは彼女だけ。彼女以外のものには色が付かなかった。気が付けば、其処まで依存してしまっていた。初めはただ鬱陶しいと思っていたはずなのに。
所詮は彼も凡人であり、人とのよりそいを願う一回の矮小な人間であったという事。そして、自らが好きだった人をこの手で殺めるというのは最高に気が狂いそうになるという事。今日学んだのは、これだけだ。



そうこれは、何の変哲もなく。何の意味も無い悲劇
誰が必要とするわけでもない、誰が得するわけでもない。
+ ...
自らの劣等感に苛まれ、幼馴染の死を自らの手で経験した彼が考えたのは『自死』。つまりは自らの心臓の鼓動を止める行為。
だが、それを行うには臆病な心が邪魔をする。この際もう死んでしまいたいという投げやりな感情と、脳裏に浮かぶ彼女の顔が衝動を止める。
それを理由にして死にたくないだけなのかもしれない。恐らく死にたくない理由に彼女を使っているのだろう。でも、あの顔が浮かぶとどうしても手が止まる。
全てを壊したい、殺したい。破壊衝動と自壊衝動の混ざった感情。矛盾と言う矛盾をごった煮にして混ぜ合わせたような違和感。頭の中で常にぐるぐると巡る思考は纏まりがなく
無意識下の時点で死に場所を求めて彷徨い歩く。だが、本質は所詮一介のヒト。死にたくないし、みんなを助けたい。ただ、それを劣等感が邪魔をする。
常に別の自分が自問自答を繰り返し、それに応える自分すらも最早本質の自分では無い。つまるところ、彼は現実を知りふて腐れた子供の様なものだ。
幼馴染の姿をつい重ねてしまう。それは未だに彼が彼女に依存しているという事でもあり、昔のこと全てを否定しているわけではないという事でもある。

【能力】

月装『自身が最強である《In The Realms of the Unreal》』
彼が着用しているライダージャケットとグローブ、ジーンズとブーツ。この四つをすべて合わせた際の呼称であり、それら自体に正式な名称は存在しない。
通称『最強』シリーズとして幾つか量産がなされており、コンセプトとしては〝誰にでも扱える月装〟。

それぞれに正式名称が存在しないのは〝同じ規格〟の月装ではあるものの、四つともにおいて〝別の月装使い〟が使用していたからである。
偶々彼が四つ共を装着出来た―――死体から剥ぎ取って装着した―――だけ。下手な弾も数撃てばなんとやら

つまり、どれだけ努力したとしても――――結局彼は凡人なのである。

ジャケット・ジーンズ』
ライダージャケット、何方かと言えば動き易く見えるジーンズ。以上。

自身の感情(これは〝一際大きい感情〟が自動的に選択される。彼の場合は主に〝嫉妬〟)を万能のエネルギーへと変換する。
所詮〝魔力〟とも呼称されるそれは、月装の属性(これも感情の選択によって能力が変化する)である〝赤と黒〟へ流れ
月装としての能力を励起、起動させる。

能力は〝空間湾曲〟。彼の嫉妬と歪んだ思考回路によって開花した『最強』シリーズ能力の一つ。
魔力を通すことによって月装の表面に空間の歪みを発生させ、ありとあらゆる攻撃を〝有耶無耶〟にする。
弾丸などの遠距離攻撃に対して強い抵抗力を持ち、生半可な攻撃であれば近接攻撃ですら彼の身には届かず。触れる事すら不可能だ。

しかし、それらは全て〝比較的弱い攻撃〟出会った時だけの話しであり。所詮は拳銃弾等の現実兵器くらいにしか抵抗力が無く。
焔装の概念攻撃は勿論、月装の攻撃に対してもほぼ〝無力〟。

『グローブ・ブーツ』
所詮指ぬきグローブという奴で、殴る際に使用する骨の部分だけを守る〝実用的〟の身に重きを置いた物。
色は黒、装飾も一切なし。彼という人格の面白味の無さを存分に強調する。
ブーツは完全に自身の動きが阻害されない様に設計されており、どことなくダサい。

自身の感情(これは〝一際大きい感情〟が自動的に選択される。彼の場合は主に〝嫉妬〟)を万能のエネルギーへと変換する。
所詮〝魔力〟とも呼称されるそれは、月装の属性(これも感情の選択によって能力が変化する)である〝赤と黒〟へ流れ
月装としての能力を励起、起動させる。

能力は〝眼前敵全〟彼の嫉妬と歪んだ思考回路によって開花した『最強』シリーズ能力の一つ。
目に映る全ての存在は自身を弱者としてみており、嗤われ、蔑まれている。その考えが能力の根幹をなす。
彼の思い通りにならないのものは全て〝邪魔〟で全て〝敵〟。能力の開花はこの感情から開花した。

魔力を通すことで月装の威力を純粋に強化する。機能としてはそれだけで、特にその他の特別な能力があるわけでは無い。
強いていうなればインパクトの瞬間だけでは無く〝起動中は半永続的強化〟であること。故に殴る潰す叩く等、攻撃の選択肢が存在する事くらいか。
過度の強化をすれば一時的にインパクトの衝撃を上げることも可能ではある。が、余り魔力消費は良くない。

威力としては人間を容易く殺せる程度には強くなる。頭蓋を掴んで砕いたり、腹部に風穴を開けたりだとかは可能。
だがあくまで人体という比較的柔らかな物体に対してだからこそそういう芸当が可能なわけで。大岩を砕くや地面を砕くなどといった
人間離れした戦闘力は一切持ち合わせていない。

最強シリーズ外:月装固有能力〝非現実的隠蔽論《Outrate Hiderate》〟

ジャケットとジーンズの空間湾曲能力が派生した〝ステルス〟能力。自らの周りの空間を弄ることにより、光学迷彩の様なステルス機能を得ることが出来る。
魔力消費効率が異常と言えるレベルにまで高く、常時発動状態でも五時間の連続使用が可能。これは〝他人は常に自分を見下している〟という思い込みに起因していて
他人に自分の姿を見られたくないという感情が月装の能力開花の際に作用した結果である。

固有能力発動時は音や匂いなども限界まで低減され、そうそう簡単には見つけることは難しい。が、空間湾曲という特性上必ず彼が潜んでいる場所の空間が極僅かに歪んでいる。
そのため勘の鋭い人間や、眼のいい人間、若しくは感覚器官が発達した魔獣等であれば容易に見つけることができるだろう。

最強シリーズ外:月装固有能力〝我が手は誰の為で無く《Grasshopper》〟

単純に言うと〝ある条件下にある物質に対しての強制的なアポート能力〟。『最強シリーズ』の内部(ジャケットの中、ジーンzのポケットの中など)に収納されている物質を強制的に自身の両手に瞬間移動させる。
〝手に届かない物〟に対しての憧れを示し。実際に手に届くのは僅かで小さなものでしかないという〝現実〟への皮肉、理解が月装により〝長所〟として能力化された。

戦闘術─

彼自身の戦闘力は高いとはいえず、魔獣に対しても人間に対してもまともに正面から立ちあえば敗北は必至。挑むこと自体が愚作。
故に、月装の能力〝隠蔽論〟を使用した潜伏。そして相手の隙を突いた背後からの不意打ちを行い、強化した拳や足で脳またはそれに連なる重要な器官を破壊する。いわゆる〝卑怯〟徒でも称される戦い方が主となる。
自らの命が一番惜しいと考えており、生きるために必要であればどのようなきたない手も惜しみなく使用する。しかし、彼にもプライドと臆病性が内包されていて、少しでも言葉で揺さぶりを掛ければ容易く隙は出来るだろう。

武装─

  • ナイフ
ややナイフにしては大振りのナイフ。サバイバルナイフと似たような形状で、後ろの腰に専用のベルトと鞘を付け固定している。
この時代においては珍しく錆びの無い武器であり、戦闘に使うのは勿論。モノを削って他の形にする、肉やモノを切り分ける、缶詰のふたを切って開けるなど用途が広い。
〝自身の魔力を喰わせることで性能・再生効果を付与する〟能力があるが、魔力を喰う量が比較的多いので使うのを渋る節がある。

所持物─

  • ボロボロのナイフ×3
刃を砥ぐことでかろうじてナイフとして使えるようになったが、〝斬る〟のではなく〝刺す〟事を前提。
錆びた部分を幾らか残しておいて、指すと同時にその刀身を折り、中に入り込んだ刃が取れない様にして使用する。
  • ガラス
縦3センチ横6センチの長方形型の硝子の欠片。削って使えば簡易ナイフくらいにはなるかも
  • 鉄パイプ&鉄っぽい物
30センチほどある鉄パイプと鉄の破片みたいなもの多数。若干錆び気味なので対して使えない


『自分ルール? なにそれ、ヘンなの』
『まーた上から目線でものを言う……。其れじゃあ何時まで経っても友達なんて出来ないぞ!』
『何でそんなに周りを否定するの? もしかして――――恐い?』
焔装(こんなモノ)なんて、あってもいい事なんてないんだよ?』


『雅樹…………ごめんね。』
『――――――ありがt』

「ああああ あああああああああああ ああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああ ああああああああああああ あああああああ あああああ あああああああああ ああああああああ ああああああああああ あああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああ あああああああ あああああああああああああああああああ ああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああ あああああああああああ あああああああああああああああ」
最終更新:2014年10月19日 19:10