か行

カーネギー構築法
T.C.4400年代初頭、ヴェクター・インダストリーの管理・運営部門の統括責任者であった
数学者カーネギー考案による、U.M.N.内部に仮想空間を構築する手段を体系化した基礎理論。
この構築法の考案以降、仮想空間は特別な例外がない限り必ずと言っていいほどこの理論に基づいて構築されている。
この考案がなければ仮想空間の研究は100年以上遅れたと言われ、彼の業績をたたえてこの名称が付けられた。
しかし、彼がどのような経緯でこの理論に辿り着いたのかは一切明かされておらず、
ヴェクター上層部が助言を与えて理論を完成させたという説もあるが、真相は謎に包まれている。(ep3)


外套者【青】
テスタメントの一員。普段は青いマントと仮面に身を包んでいるが、シオン達の前から離れた時、仮面を外して正体を明かしている。
その正体は死亡したはずのバージル中尉であった。(ep2n)

ヴィルヘルムに従う青い外套をまとった人物。ルイス・バージルの項目を参照。(ep3)


外套者【赤】
ヴィルヘルムの側近らしき男。その正体は不明だが、バージルに対して命令を下していた点からかなり地位の高い人物のように見受けられる。
ヴェクターと関係ある人物かどうかは謎。(ep1)

テスタメントの一員。赤いマントと仮面に身を包み、ヴィルヘルムの側近として常に傍らにいる。
彼はテスタメントを統べるリーダー的な立場らしいが、正体は不明。(ep2n)

ヴィルヘルム従う赤い外套をまとった人物。ヴィルヘルムから直接指示を受け、シオンとKOS-MOSを常に監視している。
ケビン・ウィニコットの項目を参照。(ep3)


外套者【黒】
テスタメントの一員。普段は黒いマントと仮面をつけているが、ジギーと合った時は仮面を外していた。
ジギーは彼をヴォイジャーと呼んだが、それが本名なのかは不明。(ep2n)

ヴィルヘルムに従う黒い外套をまとった人物。ジギーが彼のことをヴォイジャーとよんでいることから、
過去にジギーと何かしらの関係があったと思われる。ヴォイジャーの項目を参照。(ep3)


外套者【白】
ヴィルヘルムによって新たに加えられたテスタメントの一員。
他の外套の男達と同様、謎の機動兵器とともに登場した。白いマントに身を包み、仮面を付けてその素顔を隠している。
とは言え、青い外套の男(バージル)が彼に対して面識があるような態度をとっていたという点や、
その白い外套の色そのものからこの男の正体が推察されないだろうか。(ep2n)

ヴィルヘルムに従う白い外套をまとった人物。ミルチア宙域での局所事象変異事件の後にテスタメントとなった人物。
アルベド・ピアソラの項目を参照。(ep3)


ガイナン・クーカイ
T.C.4741年生まれ。26歳。
星団連邦 ミルチア 自治州に属する特殊財団「クーカイ・ファウンデーション」の代表理事。
黒髪に深緑色の瞳、Jr.に似た風貌を持つ。
穏やかな性格で、内部からの人望も篤い。
記録上は実業家ソゼ・クーカイ氏の嫡男となっている。
U.R.T.V.固体ナンバー669。
ウ・ドゥの反存在波長を持つ生体兵器として誕生した。
669体のU.R.T.V.達は同一の培養胚から誕生した後、誘発突然変異(Induced Mutation)によって固体別の特殊能力を発現させられた。
同一の胚から生まれながら、頭髪や目の色が違うのはこのため。
Jr.には成長(時間)制御能力が、アルベドには身体の再生能力が発現している。
ガイナンにはJr.との思考伝播の他に、肉声を媒介としたヒュプノーシス暗示能力(人の意思への干渉)が備わっている。
「クーカイ」は第二ミルチア府が特殊活動資金をプールする為に捏造した架空の実業家名。
ミルチア紛争後、ヘルマーに保護されたガイナンらはファウンデーション設立の受け皿としてクーカイ姓を継承した。(ep1)

Jr.がクーカイ・ファウンデーションの活動における実効制圧面を担っているとするなら、彼は政治面を担っていると言えよう。
両者の力が合わさることでクーカイ・ファウンデーションの意地が可能であり、いずれか一方も欠くことは出来ない。
ミルチア紛争後、ヘルマーに保護されたガイナンらはファウンデーション設立の受け皿としてゾゼ・クーカイの姓を継承した。
ちなみに「ゾゼ・クーカイ」は第二ミルチア政府が特殊活動資金をプールするために捏造した架空の実業家名。
ヘルマーのおっさんもなかなか悪よのぉ。
ガイナンは他のU.R.T.V.と違い、ウ・ドゥの波動に反応するようには調整されていない。
彼の本来の使命は強力な力を持つ変異体が暴走した時のストッパーであり、それはJr.の抹殺を意味していた。
またディミトリ・ユーリエフはその特殊な力を持ったガイナンにさらに自らの精神を移し替えることで延命を図っている。
ガイナンはディミトリ・ユーリエフに二体を乗っ取られ自らの意志とは関係なくディミトリの野望のために働くこととなった。
やがてそれはデュランダルの武力制圧、そしてアベルの方舟の覚醒を引き起こしてしまう。
ディミトリの意識の奥底で眠りについていたガイナンであったが、ディミトリと共に消滅しようとするアルベドの真の望みを叶えるため、
自らの意識をアルベドの身体に移し、彼の意識をJr.の体に転移させる。そしてディミトリと共に消滅していった。(ep3)


カウンセラー
レアリエンの身体、精神の調整及びケアを行う専門医のこと。
通常の意思より選考基準が厳しいため、必然的に狭き門となっているが、反面需要は増加の一途を辿っており、
その解消手段として暫定処置用の調整ベッドが普及している。
大抵のカウンセラーは、レアリエンの製造企業に属している。(ep1)


カウンターテロ
直訳すると"対テロリスト"という意。
百年前、ジギーの所属していた連邦警察第1875特殊作戦司令分遣隊は、このカウンターテロを主な任務としていた。(ep1)


隔離格納庫
デュランダル内にある、ゾハルを格納する隔離エリアのこと。
ゾハル エミュレーターが発する、ある種の波動がグノーシスを引き寄せるため、
確保されたゾハル エミュレーターは特別な封印容器によって格納されている。(ep1)

デュランダルのD区画にある、ゾハルエミュレーターを格納する隔離エリア。
ゾハルを狙うU-TIC機関やグノーシス対策のために設置された場所で、別名ゾハル・ルームとも呼ばれている。
13基のブロックに隔てられた広域な空間にアトラクト・インヒビターによって十二器のゾハルエミュレーターが厳重に保管されている。
各々にはイエス・キリストの弟子である十二使徒の名と、13番目のブロックにはマリーエンキントの名が冠されている。
マリアの子どもという意味を持つマリーエンキントにはオリジナルゾハルが格納される予定である。(ep3)


カスパーゼ
星団連邦政府海兵隊大尉。
巡洋艦ヴォークリンデ内のレアリエン調整室で同艦に搭載されていた戦闘用レアリエンたちの戦術アルゴリズムの入力や訓練などを行っていた。
ちなみにバージル中尉とは士官学校時代の同期。(ep2n)


カタリナ
レアリエンの名前。フェブロニアの妹でシオンには"キャス"と呼ばれている。
彼女はセシリアと共にラビュリントスの中枢部にあるゾハル制御システムと融合していて、個人としての機能や意識を失っていた。
ネピリムとフェブロニアはシオンに二人の解放、つまりゾハル制御システムを破壊して
セシリアとカタリナの生体機能を全て停止させることを依賴していた。(ep2n)

ヨアキム・ミズラヒによって製作されたトランスジェニックタイプレアリエンの一体。キャスの愛称で呼ばれている。
フェブロニアの実働データを元に製作され、後にセルギウス17世の指示により、
ウ・ドゥを制御するためのシステムの中核として調整、使用された。
フェブロニアは彼女のことを妹と呼んでいるが、レアリエンに血の繋がりや親兄弟といった概念はなく、
正確にはフェブロニアのクローンである。フェブロニアは人とウ・ドゥによって縛られた二人の意識の解放をシオンに求め、
全てのレアリエンの意識の解放を願った。(ep3)


カナン
ヴェクターから第二ミルチアへと貸与された特殊記録素子搭載型レアリエン。
戦闘用レアリエン以上の格闘能力を有するがその機能は戦闘用レアリエンとしてではなく、
どちらかと言えばE.S.のパイロットとして特化されている。
カナンはプログラムカナンを搭載しており、その記憶素子(パーソナリティ)は連邦警察時代のジギーの部下、ラクティスの物が使用されている。
一度はフォーマットを受けたはずのカナンの記憶素子に連邦警察時代の記憶が蘇った事実から、
カナンラレアリエンの記憶、意識もまた、人と同じく集合的無意識領域に存在することが推測される。
プログラムカナンはその昨日の特殊性から、ヴィルヘルムの持つ力へのバイパスルートが確保されている。
ヴォイジャーの欲望を匠に利用したカナンは、ヴォイジャーの意識をその力と連結、オーバーフローさせ自身の身体ごと消滅させた。(ep3)


可能性事象
ネピリムの語った言葉。
換言すると未来の姿といえる。
未来の姿は常に揺れ動いているので、必ずしも確定されたものではないという意味。
そこには数多の確率だけが存在する。(ep1)


カメール
星団連邦政府や軍部、クーカイ・ファウンデーションやヴェクター・インダストリーのような公の企業体に従事する人間のことを指す。
カメールの職種は多種多様で、シオンを始めとする劇中に登場する主な人物の多くがカメールである。
また、カメールとして社会に貢献した年月により様々な社会的特権や資格を得ることが出来る。
その内容は退職手当や年金に関わるものから、遺伝子改変の権利など幅広い分野に及んでいる。アレンはカメールとして11年勤務した後、
どこかの星の山奥にロッジを買って毎日釣りをして暮らすつもりだったらしい。(ep3)


貨物質量
U.M.N.転移ゲートの使用料金は、転移させる物質の総質量とその距離により決定される。
当然、貨客船の船体規模ごとに規定重量が設けられている訳だが、このエルザの重量オーバーは、
単にシオン達を救助したことによるものではない。
おそらく、どこかのタイミングで難破物資をかすめていたと思われる。(ep1)


カレー
シオンの得意料理の一つ。
先のゲームショウでこの映像を見た、米国のファンの人は「何か変なモノを食ってる!」と感じたそうである。
食文化の違いってやつですね。(ep1)

カレー作りにおいて基本となるスパイスは、区民、コリアンダー、ターメリック、レッドペッパーの四種類。
そこにカルダモンやシナモン、クローブ等をブレンドしたガラムマサラを加える事によって美味しいカレーに仕上げることが出来る。
シオンのカレーに×情熱は特別なものがあり、彼女曰くカレー作りは豊富な種類のスパイスの中から必要な物だけを選んで調合することと、
玉ねぎとにんにくをよく炒めることに意義があるらしい。
そのルーツとなっているのがハイスクール時代に通っていたモビィ・ディックカフェのカレーである。
数あるシオンのオリジナルレシピの中でも、隠し味にフルーツ等を加えてまろやかな英国式に仕上げたカレーが一番の自信作だったのだが、
辛党であるジンにとってそれは許しがたい行為であり、自宅で同居していた頃にはカレーが食卓に上がるたびに兄妹での口論が絶えなかったようである。(ep3)


カレー粥
シオンが倒れた際、心配したアレンがシオンに食べやすいようにと用意し、持ってきた食事。
シオンが作ったカレーのスープをベースにアレンが愛情を込めて炊いたおかゆなのだが味の保証はされていない。(ep3)


艦砲が撃てない
無重力の空間戦闘では、破壊した対象の破片からの被害を考慮しての戦闘が基本となる。
劇中の「艦砲が撃てません-」とは、危険半径内にまで接近したグノーシスに対して、発砲が出来ないということを意味している。
(その割にはバカスカ撃っていたような気もするが・・・・・・)(ep1)


気化弾頭
通常の気化弾頭は、液体もしくは固体の燃焼材料を大気中にミストとして散布し、
それが一定範囲に拡散した時点で点火することで、凄まじい爆発を引き起こす兵器。
効果半径内に居た者は衝撃波で破壊されるか、超高温に灸られるか、もしくは発生した上昇気流による急激な気圧低下に見舞われ、
内臓破裂や窒息を起こすか、のいずれかの運命をたどる事となる。
効果半径は、最大のもので数キロメートルにも及ぶという。
劇中でグノーシスが使用したものも(威力は小さいが)同様の効果を持つものであると思われるが、燃料に相当する物質が何であるのかは不明。
それよりも、A.G.W.S.内に居たバージルはともかく、生身のシオンが無傷でいた事の方が謎といえば謎。
かなり頑丈な女性のようである。(ep1)


擬似感情
人の感情と似通ったもの。U.M.N.管理センターで行われた解析時に量産型百式がモモには擬似感情を表出させる模擬人格層があると発言している。
しかし、モモが生み出された頃のレアリエンには、通例として感情抑制が施されていた。
ミルチア憲章制定後、一部を覗いてレアリエンに対する感情抑制は禁止となったが、制定以前からモモには感情抑制がなされておらず、
対人オプションとしてもぎ人格まで用意されていたことから、ヨアキムが彼女をレアリエン以上の存在として扱っていたことがわかる。(ep2n)


器質障害
生体組織が変形、変質あるいは破壊されることで発生する障害。
サクラの場合は「U.M.N.の共時性に対する感受性過敏によって脳内の電位パルスの制御が不安定になり、
脳の回路網が寸断されている」という器質的欠陥が原因で、「外界を認識して内面を表出させることが出来ない」という障害が発生していた。(ep2n)


軌道エレベーター
惑星と宇宙ステーションを結ぶ巨大なエレベーター。
静止衛星軌道上に建設された宇宙ステーションと、赤道付近に設けられたプラットフォームを1日に数下位往復することが可能である。
これによって乗組員は宇宙船ごと地上に着陸する必要がなくなる。
また、惑星にとってはマスドライバーによる打ち上げ方式と併用している場所もある。(ep3)


軌道ステーション
惑星の衛星軌道上に設けられた宇宙ステーションで主な目的は船舶の停泊にある。
軌道ステーションから伸びるシリンダーは数千m下、地表赤道付近に建造された施設とつながっている。
シリンダー内部にはエレベーターが設置されており、軌道ステーションに停泊した船舶の乗組員、
あるいはそれが運んできた物資を大気圏突入の負荷を与えること無く地上に運搬することが可能である。
また、地上にいる人間や物資の宇宙への運搬も同様に行うことが出来る。
以前はマスドライバーによって打ち上げる方式を主としておこなっていが、
近年ではより安全性が高くローコストな軌道エレベーター方式が多用され、軌道ステーションは各惑星の玄関口となっている。(ep3)


機動要塞エルザ計画
ハカセにより発案された、エルザを巨大ロボには必要不可欠な移動要塞にしてしまおう、という壮大な計画。
つまり、巨大ロボを整備するための研究室をエルザ内に設けるということだが
ハカセが計画したのはクーカイ・ファウンデーションにある研究室そのものをエルザ内に転送させるという無茶苦茶なものだった。
全てが計画通りというわけには行かなかったが、この時の騒動がきっかけとなり、
結局はハカセの研究所であるロボットアカデミーはエルザ内に移転することになった。(ep3)


規約違反
劇中アレンは、ヴェクターにとって最高機密の一つであるKOS-MOSの深層領域記録の複製を無許可でとる事に対して、こう言っている。
実際には、ヴェクターが出資者となっているファウンデーションと、
政府のプロジェクトで浅からぬ関係のある第二ミルチア政府への疑いを晴らすという名目がある訳で、
それら状況から鑑て、複製許可が全く通らないという事はまずありえない。
つまり、記録に然るべき処置を施し、公になると都合の悪い情報だけ削除した状態で提出すれば良いのである。(これは改竄とは異なる)
しかし、緊急を要する事態と判断したシオンは独断でこれを試みる。(ep1)


逆位相
信号の極性が反転している状態。極性とは分子内に存在する電気的な偏りのことを指す。
逆位相を考える場合、ある波形とは全く逆になった波形の状態を想像してもらえればいい。(ep2n)


キャス
フェブロニアの妹であるカタリナの愛称。カタリナの項を参照。(ep3)


旧ミルチア
ミルチアと同義。
十四年前のミルチア紛争以降、封印された宙域となっている。(ep1)

ミルチアと同義。ミルチア紛争後アビスに封印され、第二ミルチアがミルチア自治州政府の主星になったため、
第二ミルチアと区別する呼称として名付けられた。(ep2n)


教皇
宗教結社オルムスの最高権力者であり、移民船団の統治者。
本名はセルギウス17世。移民船団―その中核とも言えるオルムスは、ゾハル本来の守護者であり、
教皇の地位に就くものはおしなべてゾハルとリンクし、その力の一部を引き出す能力を有する。
これは地球圏脱出の際、ゾハルを守護していたゾハルの民全般に言えることではあるが、
世代を経ることで血は薄まっており、オルムスにおいてもそれを可能せしめるものはわずかしか残っていない。
旧ミルチアに眠るオリジナルゾハルを専有し、星団連邦に対して移民船団の優位性を確固たるものにしようと画策した。
これには、マイノリティとして連邦政府に抑圧、搾取され続けた移民船団の歴史的背景と、
連邦ザルヴァートルに対しての先代セルギウスからの因縁があった為と思われる。
移民船団からの居住者を多く抱える旧ミルチア教主国、教主国政府軍を掌握していたセルギウスは、
惑星ミクタムから旧ミルチアへと移された連邦のゾハル研究機関の一部門であった
ミズラヒ脳物理学研究所をミズラヒを擁立する形でU-TIC機関へと改編、その管理下に置き、極秘裏に対連邦政策を進めた。
U-TIC機関設立の経緯が連邦政府によって看過された裏には、当時議長職にあったヴィルヘルムによる議会工作があったと思われる。
旧ミルチアにおいて、プロトオメガを起動させるがテスタメントにより消滅させられた。(ep3)


共時性
ユングの心理学の用語。心に思い浮かぶ事象と現実の出来事が一致することを指し、ユングは「ウーヌス・ムンドゥス」の概念を用いて論じた。
彼によるとウーヌス・ムンドゥスと呼ばれる世界は人や物全てによって共有されており、
心と心、心と物質といった相互の補完や連結ができるとしている。
これによって心の世界が物質世界に影響する現象が起こるというわけだ。(ep2n)


キョウジュ
ハカセの大学時代からの友人。かつてはU.M.N.転送実験の技術者だった。
現在はフォービドゥンデバイスを一般の人間の手から隠すために第二ミルチアでひっそりと暮らしている。(ep3)


局所事象変異
オリジナルゾハルやゾハルエミュレータによって引き起こされる謎の現象。
現時点で確認されている主な局所事象変異は、オリジナルゾハル発掘時、U-TIC機関によるゾハルエミュレータの連結実験時、
アルベドがウ・ドゥとリンクした時、という3点が挙げられる。
この現象が起こると人が忽然と姿を消したり、人や惑星がグノーシス化するといった現象が見られる。(ep2n)

実数領域と相反する領域である虚数領域との境界が曖昧となり、空間の構造体そのものが変化する現象。
劇中でゾハルの暴走等によって引き起こされる現象であり、ミルチアやアリアドネ、ロスト・エルサレムの消滅も局所事象変異によるものである。
この局所事象変異はEPRレーダーによって確認することが出来る。(ep3)


局長
T.C.4726年生まれ。41歳。
ヴェクター第一開発局局長。シオンの直属の上司にあたる。
一見するとおっとりした温厚な性格だが、一局を統括する立場にいることから、実は切れ者であるとの噂もある。(ep1)


虚数領域
我々の宇宙は、実際に近くできる実数宇宙と、近くすることの出来ない虚数の時間軸を流れる虚数宇宙の2つの実相(及びゼロ)によって構成されているという説がある。
虚時間の概念そのものはホーキングが特異点―つまりは神の存在―を使用すること無く宇宙を誕生させるために考案した理論であり、
これを使えば宇宙には「始まり(ビックバン特異点)」も「終わり(ビッククランチ特異点)」もなく、
ただ多次元的超球面体によって構成されているとすることが出来る。
劇中では、グノーシスはこの虚数の時間軸に存在し、実数宇宙に干渉する。(ep3)


キルシュヴァッサー
Kirshwasser
チェリー・ブランデーを指す語。
プロトタイプモモのデータ収集を目的としてヨアキム・ミズラヒによって製図された観測用レアリエン。(ep1)

ヨアキム・ミズラヒ博士がモモの開発のためにデータ収集を目的として製造した観測用レアリエンの総称。
キルシュヴァッサーにはチェーリー・ブランデーという意味がある。
拡大解釈すればモモもキルシュヴァッサーも、ヨアキムの娘であるサクラのために作られたレアリエンなのだが、双方を取り巻く境遇は目に見えて大きく異る。
モモはサクラに最も近い存在であり、完成された器として生まれたが、キルシュヴァッサーはその器を完成させるために作られ、
そして棄てられていった実験媒体でしか無かった。
キルシュヴァッサーにとってモモは憧れであり嫉ましい存在だったのである。
アルベドと行動を共にしていたキルシュヴァッサーの多くがモモを羨み嫉んで居たとは限らない。
しかし、アルベドからどんなに恐ろしい仕打ちを受けても寄り添うようにして彼の傍を離れなかったのは、
自分と同じように近くて遠い存在を持つ彼と強く共鳴し、無償の愛に似た何らかの感情を抱いていたからなのかもしれない。(ep3)


記憶素子増設タイプ
外界から受け取った情報を記憶すす部である情報記録素子を
一般的なレアリエンの数千倍搭載してた、記憶・情報保存に特化した種類のレアリエンのこと。
情報を記録・記憶するだけでなく、更にそのままバックアップをとれるほどの能力を有する。
しかも、ただ情報保存に優れているだけでなく、その情報にアクセスするスピードや情報の劣化防止にも優れている。
カナンはこのタイプのレアリエンで、さらにヴェクターによってE.S.操縦技術に特化したチューンを施されている。(ep3)


緊急連邦憲章
通常、正規の連邦艦隊といえども事前の通告や手続き無しに、自治州の管轄する領域内で作戦行動を展開することは違法とされている。
ただし、定められた緊急時のみその制約から除外されることが許される。
劇中の「則った上での艦隊の展開-」とは、まさにそれを意味する。(ep1)

星団連邦政府が設立された翌年に制定された憲章。
緊急時の艦隊展開における法則で、通常は連邦艦隊であっても事前の通告や手続きなしに自治州の管轄する領域内での作戦行動は違法行為とされている。
ただし星団連邦が定めた緊急時の場合のみそれが越権行為とはみなされず、作戦行動を展開することが許される。
ここでの緊急時とは、星団連邦に対する反逆行為及び武力行使が該当する。
また、ある宙域で緊急時連邦憲章に則った艦隊展開が行われた際、
連邦政府から周辺自治州の軍部に対して救援の要請があった場合にはすみやかにこれに従わなければならない。(ep3)


キンドリング
脳の中で電気的なバーストが繰り返され、辺縁系の中に神経インパルスの衝撃が大量且つ頻繁に通過すると、
ある回路が永久的に促進されたり、新たな神経ルートが開かれたりする事がある。
このように対象の内的な感情のあり方を永久的に変える状態をキンドリングという。(ep1)


クーカイ・ファウンデーション
KOOKAI-FOUNDATIN
マシューズ達が身を寄せる特殊財団。
自由軌道型のコロニーがその本拠となっている。(ep1)
ファウンデーションは、ミルチア紛争後に、U-TIC機関討伐の目的で設立された特殊財団。
その後武装の大部分を解除し、一部を民間企業として独立させ、現在の形態となる。
主立った出資者としてヴェクターが名を連ねている。
デュランダルの装備のほとんどがヴェクター製のものであるのはその為。(ep1)

13年前、第二ミルチア自治州が音頭を取って構成された特殊財団。
巨大な無軌道型コロニーを拠点としており、その構成員の多くはライフリサイクル法の被害者たちである。
代表理事はガイナン・クーカイとガイナンJr。
ミルチア紛争後にU-TIC機関討伐を目的とし、第二ミルチア政府が先頭に立って設立された。
その後、武装解除され財団化された。財団化の際ヴェクターからも多額の出資を受けている。
その後、ライフリサイクル法の被害者の救済、生活基盤の提供などの功績が認められ社会的信用を得ることとなった。
一部門を企業化してからの主な業務は、娯楽観光産業であるが、
裏の顔として第二ミルチア政府や接触小委員会からの依頼を受け、ゾハルエミュレーターの回収・管理なども行っている。(ep3)


グノーシス
GNOSIS
人類に対して敵対行動をとるという事実以外全てが謎に包まれている存在。
実在対象とは切り離された"ある領域"に存在する為、通常、接触は出来ない。
外見上は様々なタイプが存在しており、便宣上、それぞれに幻想動物の名がつけられている。(ep1)

ギリシャ語で「知識・認識」を意味する。劇中ではミルチア紛争後に多数発生するようになった謎の存在のことを指す。
グノーシスには外見上様々なタイプが存在しており、オリジナルゾハルやゾハルエミュレータに引き寄せられるように出現する。
人類の生命を脅かすグノーシスだが、そもそも非物質的な存在であるため、
攻撃するには百式汎用観測レアリエンやKOS-MOSに搭載されているヒルベルトエフェクトで物理固着する必要がある。
また、グノーシスには触れたものを塩化ナトリウムのようなものやグノーシスに変化させたり、
A.G.W.S.などの兵器とどうか出来る特殊能力を持つ。
よって、宇宙時代の死の象徴として扱われるようになった。
ちなみに物理固着化されたグノーシスの死骸を研究したクーカイ・ファウンデーションのレポートによれば、
「グノーシスの組成はその大部分が水と水酸化ナトリウムのようなありふれた物質からできている。」という事実が判明している。(ep2n)

別次元に存在する非物質的な存在で、人類側から見たエイリアンのような存在。平時は実体化しておらず物資的な攻撃は効かない。
実体化した際の構成成分は水や水酸化ナトリウムのようなもので出来ているようだが、
それが何故人類に敵意を持っているのかは明らかになっていない。
外見上は様々なタイプが存在しており、便宜上それぞれに幻想生物の名が付けられている。
本来、実在事象とは切り離された”虚数領域”に存在するため、物理法則に則った現用兵器での攻撃は全て無効化されていた。
ただし、グノーシスがこちらを攻撃する際に攻撃する部分を局所的に実数化させることを利用し、
その実数化箇所を予測するD.S.S.S.システムが開発されるが思うような成果は得られなかった。
その後、ヨアキム・ミズラヒによりヒルベルトエフェクトと百式観測器が開発され、実数世界の人間による干渉が可能となった。
この世界の宇宙は実数領域と虚数領域が重なって構成されており、実数領域を物質―肉体とするならば、虚数領域は意識―心と捉えることも出来る。
グノーシスとはこの虚数領域の存在すべてを指す。
人間にかぎらず全てのモノに虚数領域があるので、劇中に登場した「惑星のグノーシス」といったものも存在する。
虚数領域では全ての意識がさらけ出されている状態なので、例えば”他人の悪意”といったものも直接感じ取れてしまう事になる。
人間がその虚数領域の持つ恐怖に接触し、そこから頭皮、拒絶を選択するとグノーシス化していく。
一見集団で行動しているようにも見受けられるが、それぞれが拒絶、散逸、拡散の意識をもって行動しており、
ある種の救いを求めて放浪していると取ることも出来る。
この拒絶、散逸しようとする意識が宇宙を危機に陥れているといえるだろう。
ヴィルヘルムはこれら人の負の意識をツァラトゥストラに集中させ、再び人の望む世界へ回帰するための永劫回帰を起こそうとした。(ep3)


グノーシス変容体
グノーシスに接触された人の姿のことを指す。
グノーシスに接触された人の多くは白結晶化し消滅してしまうが、稀に部分的にグノーシス化するケースが報告されている。(ep3)


グノーシス現象
人や物、惑星などが突如としてグノーシス化してしまう現象のこと。
グノーシスとの直接接触の結果としてだけでなく、離れた場所にも連鎖反応的に起こるため、その関連性の解明が急務となっている。(ep3)


グノーシス【聖堂船】
惑星サイズの物体がグノーシス化したもの。その外見に聖堂の様なのものが多く、
周囲に無数のグノーシスを伴っていることからこの名が付けられた。(ep3)


グノーシス・テロ
半年前に引き起こされたグノーシスによる襲撃事件の俗称。
主犯はグリモア・ヴェルムという人物であり、その他数名の共犯者とともにグノーシスを操り各惑星の都市を襲撃した…ということになっている。
事件に調査にあたった接触小委員会からの報告によると、グリモアとその共犯者は全員U.M.N.内で死亡したため、
彼らの目的やグノーシスの操作の方法などは未だに解明されておらず、引き続き調査が行われている。
また、シオンやジンがこの事件に関わっており、この事件の解決をきっかけとしてKOS-MOSの開発計画が中止され、
シオンはヴェクターを退社することになった。(ep3)


グノーシス【ポーター】
ヴォークリンデ内に出現したグノーシスの一種で、ゾハルエミュレーターを体内に取り込みそのまま運び去った。
グノーシスには戦闘を行うもの以外に、別の役割を持った種類が存在し、
このタイプは便宜上「ポーター=運搬作業員タイプ」と呼ばれている。(ep3)


クライン・ポイント
虚数領域と実数領域の接点。グノーシスの出現や攻撃などもこのポイントから行われている。
D.S.S.S.で予測確認することが出来、ヒルベルトエフェクトが開発される前はグノーシスに対し唯一攻撃可能な部分であった。
劇中でユリはこのポイントにKOS-MOSの相転移砲を打ち込むことで実数領域への亀裂を生じさせエルザを救出しようとした。(ep3)


クラウス・トーレ
惑星アブラクサスに置いて宇宙港事業、移民船団の受け入れ事業等を中心に活動を行っているトーレ財団会長、イレーネ・トーレの一人息子。
移民船団と星団連邦の親睦を図るためのパーティーの席でヴォイジャーからブレインジャックを受け、そのまま仮想空間内で自殺を図る。(ep3)


断片保持者(グランディ)
レメゲトンの断章を体内に取り込むことで、レメゲトンにより汚染されたものの故障であり、
現在確認されている断章保持者はローゼン特区にて確認された「少年」のみである。
また「グリモア」の少女も既に断章保持者となっている可能性は高い。
レメゲトンの断章は単体ではその意味をなさないが、脳内に取り込んだ場合、プログラムが発する波長に汚染されグノーシス化してしまう。
従来のグノーシス化と異なるのは個体の生命機能を維持するため、個人の息師がそのまま保持される点であり、
この状態になったものを断片保持者と呼称、レメゲトンの断章の危険性はまさにこの断章保持者を生み出すことにある。

脳内にレメゲトンの断章を取り込んだ人間。
メンタル体としての覚醒を果たし、肉体は既に物質世界の器でしか無い。
断章の力により生前の知識をゆしたグノーシス化が可能となる。
断章が発する波長をコントロールすることで他のグノーシスを操ることも可能。(amy)


グリモア・ヴェルム
元ヴェクターのゾハル研究部門の主任で、数千年前にゾハルを暴走させ、ロスト・エルサレムを消失させた張本人であり
半年前にグノーシス・テロを引き起こした人物。
U.M.N.内に数千年に渡り潜伏、グノーシスを操り各惑星の都市を襲撃していたが最後はU.M.N.内で死亡した。
公式にはグリモアの単独による犯行と記録されているが、事件以前の彼の身柄はヴェクターによって管理されており、
またグリモアがヴェクターの重要管理領域であるS-Divisionでグノーシスを召喚し操作していた事実から、
シオンはヴェクターとU.M.N.がグノーシス現象と何らかの接点があると考え、スキエンティアと共に調査に乗り出した。
グリモアが死亡したことにより同期や目的など事件に関する詳細は現在も不明のままだが、
一分の情報ではネピリムと呼ばれる少女がグリモアと深く関わり合いがあり、
グノーシス・テロもその少女の捜索が目的であったのではないかと推測されている。
ヴェクターはグリモアやグノーシス・テロとの関わりを一切否定しており、現在も事件に関するコメントを控えている。(ep3)

ヴェクターのゾハル研究プロジェクト技術主任であり、グノーシス召喚プログラム「レメゲトン」を制作したプログラマー。
その他のパーソナルデータは不明。
彼の情報はロスト・エルサレムの消滅の際に紛失したものと思われ、彼自身も消滅時に死亡したと推測される。
実の娘をレメゲトンの献体としグノーシス召喚プログラムを完成させるが、その実験中の事故によりゾハルが暴走し、
結果ロスト・エルサレム消失の直接の原因である局所事象変異を引き起こした人物とされる。
献体であった娘もその事故で死亡しているる。(amy)


ケイオス
生年月日不明。年齢不明。
常に憂いを湛えた表情をし、どこか達観した感のある旺洋とした喋り口調の線が細い少年。
透き通った琥珀色の瞳と銀髪が特徴。
自分の名前以外、一切の過去について語ろうとしないのでその出自経歴や、いわゆる記憶の有無といったものも含め、凡てが謎に包まれている。
マシューズ達とのつき合いはそれなりに長いようであり、その信頼も篤い。(ep1)

常い憂いを湛えた表情をし、どこか達観した感のある汪洋とした口調の線の細い少年。透き通った瞳と銀髪が特徴。
彼はこの次元の宇宙が誕生したその時から存在する、集合的無意識から発生する力(アニマ)が人の形と意識をとった姿。
次元宇宙のフェイルセイフ的能力を持つ。
その能力の解放は次元宇宙の消滅を意味するため、太古、対存在とも言えるマリア(アニムス)によってその力は分断される。
覚醒したKOS-MOSによって再びその力を取り戻したケイオスは、
下位領域に留まる選択をしたウ・ドゥ―アベルに未来の可能性を託しアニマの力を開放。
マリアの力を譲り受けたネピリムとともに人々の意識を誘い、ロスト・エルサレムへ領域シフトを行った。
宇宙のフェイルセイフとして存在した彼は消えていはいない。
それが神によって定められた運命だからなのか―運命に抗う人々が彼の存在を望むからなのか―未来の姿は、未だ混沌とした闇の中にある。
だがケイオスは信じているのだろう。
未来は意識の輝きによって照らしだされ生まれ出るものであると。(ep3)


ケイラ
プログラムカナンを搭載した初期型レアリエン。
ヴィルヘルムの側近として、また星団中に配属されたプログラムカナン搭載型のレアリエンの情報を集積するサーバーとして働いている。(ep3)


ケージパーティション
KOS-MOSを始めとするアンドロイドやサイバネティック媒体のメインデータベース
及びレアリエンの人口擬似脳内には、各々の存在を定義させるために様々なデータが格納されている。
ケージパーティションとは、それらのデータの格納領域のことである。(ep3)


ゲートパーテイション
KOS-MOSの主データベース内に、KOS-MOSという存在を形作る様々なデータを格納してあるデータ領域のこと。(ep1)


ゲートアウト
ハイパースペース-超空間から通常空間へと移行すること。
ワープアウトと同義。(ep1)

U.M.N.を利用して船艇等がハイパースペースから通常の宇宙空間にワープアウトすること。
ハイパースペースから脱出することをゲートアウトと予備、逆に進入することをゲートジャンプと呼ぶ。
いずれの場合もコラムの有効範囲内であることが可能条件となる。(ep3)


ゲートジャンプ
通称空間からハイパースペース-超空間へと移行すること。
ワープインと同義。(ep1)

U.M.M.を利用して船艇等が宇宙空間からハイパースペースへワープインすること。
ゲートジャンプを実行するためにはコラムと呼ばれる出入口に相当する領域を通過する必要がある。
通所の船艇はコラムの有効範囲内でないとハイパースペースへの侵入、及び脱出を行うことは不可能である。
ただし例外としてE.S.ディナやグノーシスはコラムの有効範囲に制約されること無くハイパースペースに干渉することが可能である。(ep3)


ゲダルヤ自治州
星団連邦 自治州の一つ。
ファウンデーションを包囲した艦隊の本部がある星。
上層部にU-TIC機関関係者がいるとみられる。(ep1)

第二ミルチアがU-TIC機関により陥れられた際に、クーカイ・ファウンデーションを包囲した、連邦第四二二艦隊の本部がある自治州。
政府の上層部にはU-TIC機関の関係者が潜伏しており、ゲダルヤ自治州を代表する討議委員は
ミルチア紛争以前からオルムスと繋がりを持つ人物であると噂されている。
かつてはヘルマーと同じく星団連邦軍の高官という経歴を持つが、不明瞭な点も多い。
連邦議会でも第二ミルチアのゾハル保有権やクーカイ・ファウンデーションの武装に対して意義を唱えており、
現在ゲダルヤと第二ミルチアは同じ星団連邦に所属する惑星ながら敵対関係にあるといえる。(ep3)


ゲノムの多様性
ゲノム-つまり遺伝情報は、何らかの枷をはめたとしても逃げ道を探すものだ、という意味。(ep1)


ケビン・ウィニコット
T.C.4739年生まれ。26歳。
元ヴェクター第一開発局KOS-MOS開発計画主幹技師。
シオンの直属の上司で、恋人と呼べる存在であったが、二年前のKOS-MOS暴走事故でその命を落としている。
KOS-MOSのソフトウェア部分だけでなく、ハードウェアの設計、開発も担っていた。
現在のKOS-MOSのハードウェアは、後に二局によって開発されたもの。(ep1)

ヴェクター・インダストリー第一開発局に所属し、KOS-MOS開発計画主幹技師を務めていた。シオンの上司であり恋人。
ちなみに彼女のメガネはケビンがプレゼントしたもの。
2年前アーキタイプの暴走事故によって死亡している。
彼はKOS-MOSの開発計画の主任であっただけでなく、シオンがカスパーゼに「全部"上司"からの受け売りですよ」と話していることから、
レアリエンについての知識も深いことがわかる。
また、E.S.ディナに変形した航宙機の開発もケビンの手によるもの。
この点からも彼の研究がKOS-MOSの躯体のみにとどまっていなかったことが推測できる(ep2n)

KOS-MOS開発計画統合オペレーションの中心人物。シオンの上司であり元恋人。
優れた才能を持ち将来を嘱望された存在であったが、起動実験中のアーキタイプの暴走事故によりシオンをかばって死亡した。
彼の死後、シオンが彼の遺志を継ぎコスモの開発を手がける事となる。
穏和な好青年で部下からの信頼も厚い人物であったが、その表情に時折陰りを見せることがあったという。
ミクタム出身である彼はゾハルの暴走による星の崩壊から瀕死の母親の手によって脱出した。
数年後、大学在学中にミルチアのミズラヒ脳物理学に身をおいたケビンは、そのままヨアキムと共にU-TIC機関へと移籍し、
独力でKOS-MOSの基礎設計を完成させる。
ミルチア紛争後はKOS-MOSの基礎理論を持ってヴェクターへ入社している。
ウィニコット姓はミクタム脱出後に身を寄せた養父母のものであり、またケビンという名も本名であるかどうか定かではない。
いずれにせよ、ミクタム―アブラクサスのちを引くものとして、ゾハルと因縁浅からぬ家系の出であることは確かなようである。(ep3)


ケビン・ウィニコット【幼少時代】
T.C.4747、惑星ミクタムが崩壊しそこからポッドで脱出したと思われる一人の少年が資源回収線によって救出される。
ミクタムの生存者ということで連邦事故調査委員会は事故の状況を聞き出そうとしたが、
惨事のショックからか少年が多くを語ることはなく、委員会のそれは徒労に終わる事となる。
やがて連邦の保護施設に預けられた少年はその利発さから、程なくして養父母によって引き取られる。
ウィニコット姓はこの養父母のものであり、ケビンという名前以外は本人が語ろうとしないため本姓は明らかになっていない。
母親の形見らしきペンダントを常に握りしめていたという情報が保護施設当時の記録として残されている。
養父母はその後ミルチア紛争の戦渦―星団全域に渡るレアリエン暴走事故によって命を落としている。(ep3)


ケビンの母親
惑星ミクタム―アブラクサスに住んでいた女性。ケビンの母親でゾハルの民の血を引いていた。
ミクタム崩壊の際グノーシス化してしまう。ケビンからシオンに託されたペンダントは母親のものであり、
その組成物質がミクタム地下に眠る遺跡―ツァラトゥストラと同様のものであることから、単にゾハルの民の血を引くだけでなく、
本人もしくはその夫が遺跡に深く関わる人物であったことが想像できる。(ep3)


幻覚と現実
外部からの情報をすべて"脳内で処理する"我々にとって、幻覚と現実の間に明瞭な区分などない。
何か幸せなことがあって、目の前がパァっと明るくなった経験は、誰しもが持っているだろう。
要するに、その(主体者の)観点に立てば、"現実である"と感じている世界のその全てが幻覚であると言えるし、
今目の前に見えている世界が幻覚でないという証左など、どこにもないのである。
シオンの言っていることはつまりはそういう事である。(ep1)


原種保護法
ライフリサイクルの悪影響によって、生物として脆弱となってしまった人類を再生させるために作られた法律。
遺伝子改良やクローニング、器質置換などを行わない純粋な生体の保護と繁殖、
及びライフリサイクルによって変質した遺伝子情報の修復をその目的としている。
ただし、その具体的な裁量権は 各々の自治州に委ねられているため、実際は自治宙域にかなりの格差があるようである。(ep1)

ライフリサイクル法が制定されたことによって人類は目先にある理想ばかりを渇望するようになっていた。
完成された個体を作り出すために遺伝子操作やクローニングが安易に施されるようになり、
生物本来の目的である千差万別の多様性を軽視するようになった。
しかし、単一の環境に適応した遺伝子のみで構成された種の集団は、遺伝子的に同じ弱点を持った集団でもあるため、
環境の変化にもろく、場合によっては僅かな変異でも種が滅びてしまう危険性があった。
ようやく生物学的に脆弱となってしまった人類を再生させる動きが起こり始め、ついにライフリサイクル法が撤廃。
人類の軌道を正すために原種保護法が成立した。これは自然の摂理に基づいた遺伝子の伝達を見直すことで、
ライフリサイクルによって偏執してしまった遺伝子の修復を目的としている。
現在、クーカイ・ファウンデーションに本部を設ける、星団原種保護法支援基金G.P.S.が精力的に活動を行い、
依然として上層社会で行われている遺伝子改編やクローニング等の完全なる撤廃運動、
及びライフリサイクル法の被害者のための救助活動を行っている。(ep3)


公安委員会
連邦議会の下位組織。合議制を採り、警察行政を民主的に確保していくためにロスト・エルサレム時代のものを模して組織されている。
各惑星国家に設立された地方警察の上位組織としても機能しているが、
主な任務は星団全域に対して影響を及ぼすような犯罪、または星団連邦が自発的な判断によって行う捜査、捜査官の育成、
その他星団全域において統一的に実行すべき警察の職務等があげられる。
基本的に警察活動を直接指揮・監督することはなく、連邦警察機関を通して警察行政を司っている。
後にU.M.N.に関連した犯罪に対しての捜査を強化するため通信推移委員会が公安委員会から分化することとなる。(ep3)


交易用コラム
U.M.N.のコラムは、その用途別にルートが分かれている。
交易用コラムとは主に一般の貨客船が使用するコラムのこと。
劇中ジギーは、いわゆる交通量の多いこのコラム内を航行することによって、敵機の追尾システムをさん欺瞞しようとしていた。(ep1)

ハイパースペースへの出入口であるコラムには、用途別にいくつかの種類があり、
交易用コラムとは主に貨物船や客船が通過するルートに設けてあるコラムのこと。
交通量が多いことが特徴であり、かつてジギーはM.O.M.O.の護送の際に、
敢えてこちらのコラムを航行することで敵機の追尾システムを撒こうとした。(ep3)


光子魚雷
名称は光子魚雷となっているが、実際は反物質反応を応用した兵器である。
特殊な保護フィールドを解除し、起きた反物質反応による破壊を目的としている。
射出の際、保護フィールド自体が眩しく光り輝くため、上記名称がつけられいている。
反物質の生成が非常に困難なため、一発の反応質量は微々たる物である。(ep1)


航宙機
ケビンがKOS-MOSのプロジェクトと同時進行して開発していた宇宙船。
これは曙光、重要管理区域のドックにあり、ヴェクター社内ではAAランクの機密事項となっている。
U.M.N.を介さずにはいハイパースペース航行が出来る機体で、シオン達が曙光から脱出するときに利用した。
過去にあったケビンとシオンのやりとりから、この航宙機はKOS-MOSの装備として開発されたことがわかる。
また、タブバイクと合体することでE.S.ディナへと変形する。(ep2n)


ココナッツザル
ブラックハカセの最愛のペット。ペディア島に生息する頭部に椰子の木状のコブをもったサル。
チンパンジーよりも優れた知能を持ち、人間で言うと小学生程度の知能を持つと言われている。
ブラックハカセの秘密研究所にも一匹住んでいるがその実態は…。(ep3)


KOS-MOS【アーキタイプ】
日本語で「元型」と書く。
ユング心理学では、心の内に存在する遺伝的に受け継がれた部分。
無意識的、本能的に結びつく心の行動を構造化するための型とされる。
劇中では、ケビンの設計したKOS-MOSのプロトタイプにこの名が冠されている。(ep1)

ケビンを中心にヴェクター・インダストリー第一開発局が設計・開発し、後に暴走事故を引き起こしたKOS-MOSの模擬体に付けられた名称。
アーキタイプは日本語に訳すと、「原型」「元型」となる。つまり、何かのもととなるものを意味している。
また、心理学で言う"アーキタイプ"はユングが提唱した概念のひとつで、彼は人の無意識を構成する要素をいくつかの人格(元型)にたとえ、
その組み合わせで深層心理を説明しようとした。(ep2n)

日本語で元型とかく。ユング心理学では心のうちに存在する遺伝的に受け継がれた部分。
無意識的、本能的に結びつく心の行動を構造化するための型とされる。
アーキタイプはシオンのモニタリングのために設計、建造された。それら機能はすべてコアユニットに凝集されており、
そのコアユニットは回収されあKOS-MOSに搭載される事となる。
シオンの眼前で死亡する必要があったケビンは、アーキタイプに暴走プログラムを組み込む。
そのプログラムはケビンからアンドリューに渡された起動キーによって実行された。(ep3)


KOS-MOS【模擬戦筺体】
大破したアーキタイプから回収されたコアモジュールを予備のフレームに換装し、シオン達の手によって組み上げられた筺体。
KOS-MOSバージョン1とも呼称される。そのエクステリアにはアーキタイプの暴走事故の忌まわしい記憶を払拭する目的もあり、
より生身に近いデザインが採用されている。実働データの収集用の多数のモニタリングセンサーを内蔵している。(ep3)


KOS-MOS【実戦用筺体】
KOS-MOSのOSのテストに併せて第二ミルチアにある二局で製造されていた筺体。
ヴェクタースタッフの間ではバージョン2と呼称されている。
戦闘行為による外部の衝撃から内臓危機を保護するため、そのボディーには蛍光ブルーの対Gゲルが充填されている。
バージョン1ではバイザー型であったヒルベルト発生装置は小型化され、
額に内装されている。第三種兵装の運用を前提として設計されているため、躯体剛性は格段に向上している。(ep3)


KOS-MOS
星間コングロマリット「ヴェクター・インダストリー」によって開発された女性型戦闘アンドロイド。
レアリエン技術の発達したこの時代において全てが機械部品で構成された希有な存在。
全てに於いて論理、効率、任務の三原則を優先し、開発者であるシオンを無条件で護る。

円滑に他者とのコミュニケーションをはかる為『模擬人格OS』が実装されており、その口調は、人間という主に従属しているアンドロイド的喋り方だが、実際は論理や効率を優先させているだけなので扱いづらい時も多々ある。
KOS-MOSとは対グノーシス用に開発された戦闘システムの総称であり、、正式名称は、
"Kosmos Obey Strategical Multiple Operation System"
直訳すると"秩序に従属する戦略的多目的制御体系"となる。(ep1)

星間コングロマリット、ヴェクター・インダストリーによって開発された女性型戦闘アンドロイド。
レアリエン技術の発達したこの時代において、全てが機械部品で構成されている稀有な存在。
凡てにおいて論理、効率、任務の三原則を優先し、開発者であるシオンを無条件に護る。円滑に他者とのコミュニケーションをはかるため
「模擬人格OS」が実装されており、その口調は人間という主に従属しているアンドロイド的な喋り方だが、
実際は論理や効率を優先させているだけなので扱いづらい時も多々ある。
KOS-MOSとは、対グノーシス用に開発された戦闘システムの総称であり、
正式名称は「Kosmos Obey Strategical Multiple Operation Systems」で、
直訳すると”秩序に従属する戦略的多目的制御体系”となる。
一種の仮想空間とも言えるシオンの深層記憶の世界、過去のミルチアで行われたKOS-MOSの修復が現実世界にも反映された理由の1つとして、
U.M.N.の一部である深層記憶―つまり集合的無意識領域での行為と現実世界での行為はある意味同義であり、
その差は観測者の確認行為―主観の違いでしか無い、というもの上げられる。
T-elosを倒したことにより、マリアとして目覚めてたKOS-MOSであるが、マリア本来の記憶や特性や変革を遂げ、
マリアでありながらマリアではない、新たな人格を構築するに至る。
これはサクラがモモへと変革したことと本質的には同じといえるだろう。
戦いを終え、長き眠りについたKOS-MOSは、時の流れとともに虚空の宇宙を流れ行く。
朽ち果て、退職した身体に差し込む蒼い光、その光こそ新たな目覚めの光であるのかもしれない。(ep3)


KOS-MOSアーキタイプ基礎理論
ケビン・ウィニコットによって研究されていた人型掃討兵器の基礎理論であり、
シオンはこのデータを元にKOS-MOSのブラックボックスであったコアを修復した。ケビンは15年前には既にこの理論の基礎を構築していた。
元々アーキタイプ用のデータであったため、KOS-MOSバージョン3とは互換性がなく、
シオンとアレンによって躯体の再設計が行われた。その為、KOS-MOSの姿は初期のものに近い形状へと変更されている。(ep3)


コネクションギア
シオン達が常時使用しているモバイルツール。
使用時には、ホログラフィックモニタとキーボードが現れる。
様々なプラグインを組み込むことによって、多用途に使用できる。
パソコンや携帯電話が進化発展したもの、と考えて差し支えない。(ep1)

U.M.N,を解する通信機能を備えた携帯型パーソナルコンピュータ。
本体は片手に収まる小型のもので、コレを使用するときにはホログラフィックモニタとキーボードが現れる。
また任意の対象を破壊したり、データベースにアクセスするなど、該当するプラグインを読み込むことで利用方法は多目的に広がる。(ep2n)

通信機であり携帯型PCでもある。シオンやアレンが常時携帯しているモバイルツールで、
使用時にはホログラフィックモニターとキーボードが現れ、様々なプラグインを設定することで多目的に使用できる。
大変優れた機器ではあるが、一般的にユーザーに必要な機能水準を逸脱していることや、
軍で使われる特別回線を使用していること、更には非常に高価なこともあって一般通信機器としては普及していない。
また、通信手段としてはコネクションギアよりも、回線の安全性からUNPの方が好まれる傾向にある。(ep3)


コマーシャルモデル
一般向け量産品のこと。これの対語として"Military Model"(軍用モデル)と、"Law Enforcement Model"(法執行機関用モデル)がある。
この区分けは銃火器の世界に多く見受けらスペックは軍用、法務執行機関用のものとほぼ同等だが、
フルオート機構の排除、装弾数の制限といった処置が施されるケースが多い。
劇中のオペレーターの台詞「配備実績があるとないとじゃ大違い-」は、
ヴェクターはKOS-MOSの軍での配備実績を作り、一般向け商品の宣伝用としたいに違いない、という意味。(ep1)

銃火器の世界で多く見受けられる区分けの仕方には3つあり、一般向けに開発されたコマーシャルモデル、
軍用に開発されたミリタリーモデル、法執行機関用に開発されたロウ・エンフォースメントモデルがある。
コマーシャルモデルのスペックは軍用、法執行機関用のものとほぼ同等だが、犯罪抑止の目的から
フルオート機能の排除、装弾数の制限、敢えて取り回しにくいように銃身の延長といった処置が施されるケースが多い。
劇中でオペレーターの一人が、ヴェクターはアンドロイドであるコスの軍での配備実績を創り、
これをコマーシャルモデルの宣伝に利用したいのではないかと推測していた。(ep3)


固有波
U.R.T.V.がそれぞれ持っている固有の思念のこと。
反ウ・ドゥ波動を増幅させる精神リンクを行うには、各U.R.T.V.の思念波を一定の波長に合わせないといけない。(ep2n)


ゴロツキ
ドックコロニーでアンドリューにからんできたチンピラ五人兄弟。
軍人に対して恨みがあったのか、単に血の気が多いだけの連中であったのか定かではない。
キレたアンドリューによって、病院送りにされる。(ep1)


コンデンサ
直訳すると"蓄電器"の意。
ここでは、KOS-MOSが稼動する為に必要なエネルギーを蓄える装置の事。
「試験用-」とは、KOS-MOSの駆体-模擬戦筐体であるため、コンデンサも試験用の物が搭載されている。
実戦用の筐体は、第二ミルチアの二局で開発されているらしい。(ep1)

直訳すると帯電器で、静電誘導を利用して導体に電荷を蓄える装置のこと。
ここではKOS-MOSを稼働させるために必要なエネルギーを蓄える装置を意味する。
試験用と実戦用があり、後者の筺体は第二ミルチアにあるヴェクター・インダストリーの二局で開発されている。(ep3)

 

最終更新:2019年06月28日 20:19