相楽誠司&アーチャー ◆vPcR9pdcgg

 ひめとゆうゆうといおなちゃんは好きな友達だと思ってる。
 ひめと会えたおかげで新しい自分を見つけられたし、ゆうゆうは昔から何度も楽しく遊んでいて、いおなちゃんがいたからもっと強くなれた。
 みんながいたからあたしは頑張れたし、多くの人を幸せハピネスにできたと思う。その中にはつむぎちゃんがいた。
 ある日、幼稚園で出会ったつむぎちゃんっていう女の子。あたしはつむぎちゃんの心配事を解決したいと思っていたけど、逆につむぎちゃんを傷付けちゃった……
 でも、ひめ達が一緒にいたからつむぎちゃんを助けることができた。つむぎちゃんはまた踊れるようになって、幸せを取り戻すことができた。
 ブルーは大好きで、あたしにとって初恋の人だった。
 いつも地球に生きるみんなの幸せを願っていて、その為に世界中を回って頑張っていた。あたしはそんなブルーも幸せにする為に頑張りたいと思うようになって、ミラージュさんを助けた。
 そうやってブルーとミラージュさんは本当の幸せを取り戻す事が出来て、あたしも嬉しくなれた。


 ……けど、やっぱり辛かった。ブルーとミラージュが幸せになることが出来て嬉しかったけど、やっぱり悲しい。幸せになれて嬉しいはずなのに、胸は痛い。
 そんなあたしを支えてくれたのはひめ達と……誠司だった。みんなが励ましてくれたから、弱い心には負けなかった。
 特に誠司にはありがとうって言いたかった。憎しみと弱い心に負けそうになった時、誠司が来てくれたからあたしは立ち上がることができた。
 誠司は、あたしが生まれた時から隣にいてくれた大切な人。楽しいことや、嬉しいことや、悲しいことや、辛いことや、幸せなこと……いっぱい、一緒に見てきた。
 当たり前のように支えてもらった。当たり前のように隣にいてくれたから、幸せになることができた。だから、いなくなったらとか、考えたことがなかった。
 誠司がいなくなるなんて、ただの悪い冗談だとしか思えない。……だからだったのかな、誠司がいなくなった時、こんなにも胸が痛んだのは。誠司のことを何も考えなかったあたし自身が許せなかった。
 それでも世界に生きるみんなが支えてくれたから、立ち上がることができた。みんなの応援の背負って、みんなで月に向かって……誠司を取り戻した。


 誠司からはたくさんの愛を教えてもらった。いつもみんなの為に頑張りながら、あたしの為にも頑張ってくれた。あたしは今まで、そんな誠司に頼りっきりだった。
 だから今度は、あたしが頑張りたい。あたしが頑張って、誠司から貰った愛をたくさんの人に分け与えて、そして誠司を含めたみんなに幸せを届けたい。
 その為にも、いっぱい頑張って、いっぱい成長したかった。


 あたしと誠司は『好き』とか『恋してる』とか『恋愛』とか、そういうのじゃない。ただ、純粋に『大切』と思ってる。そんな誠司とは一緒にいたい。
 今までも、そしてこれからずっと先の未来も。


 ◆



 いつもと同じような一日だけど、どこか違和感を感じる一日でもあった。
 毎日を過ごしているぴかりが丘とは違う街にいるから……それだけではない。根本的に『何か』が違っていた。
 空に浮かぶ月はとても赤い。まるであの赤い惑星を見ているようで、妙に胸がざわついた。
 それに、脳裏に浮かぶ聞き覚えのない単語だって引っかかる。『聖杯戦争』、『マスター』、『令呪』、『サーヴァント』、『アーチャー』……どれも聞いたことがないのに、意味は瞬時に思い浮かんだ。
 そして、マスターとなった俺自身がサーヴァントと共に聖杯戦争を勝ち抜かなければならない。まるで当たり前のように、そんな思考も芽生えていた。

「それにしても、誠司があたしのマスターになっているなんてね」

 快活な笑顔と声を向けているのは、俺が赤ん坊の頃から一緒にいた女の子。
 人助けが大好きで、いつだって誰かの幸せを願い続けて、プリキュアとなって戦っていた……愛乃めぐみだった。
 理由は一つ。マスターとなった俺の元に召喚されたのがめぐみだった。単純だが、それだけに衝撃が大きい。これはつまり、めぐみと一緒に戦えということだ。

「俺も驚いたよ。まさか、めぐみが俺のサーヴァントになっているなんて」
「うん、あたしのクラスはアーチャーだよ! ……あ、だったら今は、誠司のことを『マスター』って呼ばないとダメかな?」
「よせよ。そういう堅苦しい呼ばれ方は好きじゃない」
「そっか……じゃあ、いつもみたいに『誠司』って呼ぶね!」
「そうしてくれ」

 これから戦いが始まるとは思えないくらい、穏やかなやり取り。
 幼い頃からずっと続けてきた日常の一ページ。それが、この世界でも繰り広げられていることに、ほんの少しだけ安堵を感じる。
 例え世界が変わっても、俺達を繋ぐ絆が変わることはない……そんな予感がしたから。

「そういえば誠司は願いを決めたの?」
「願い?」
「うん。聖杯があればどんな願いでも叶えられるの。誠司はそれを使って何を願うのかなって……ちょっと気になったんだ」

 めぐみは問いかけてくる。
 聖杯。万能の願望器であるそれに願い事を言えば、どんな願いでも叶うらしい。まるで、プリカードの大いなる願いのようだった。
 そういえば氷川は大いなる願いを使って真のキュアフォーチュンに変身できるようになったらしい。めぐみとひめと大森が頑張ったおかげだ。


 俺の願い……それは皆で幸せな毎日を過ごすことだ。
 めぐみ、真央、母ちゃん、ひめ、大森、氷川、神様、街のみんな……誰もが笑顔でいられる毎日。それはめぐみだって同じだ。
 ずっと前から叶っている願いだから、何かに頼る必要なんてないはず。それを手に入れる為にめぐみを戦わせなければいけないのか。

「……その前に、俺も聞いてもいいか?」
「聞きたいこと?」
「ああ。俺のサーヴァントになったけど……本当に戦っていいと思ってるのか? めぐみは、誰かを傷付けるかもしれないんだぞ?」

 聖杯で願いを叶えるには、この戦いで最後の一組になるまで生き残らなければいけないらしい。それはつまり、自分の為に誰かを犠牲にするということだ。幻影帝国やサイアーク達と戦うのとは違う。
 そんなのはめぐみが一番望まないことだ。こんな戦いをめぐみに強制させるなんて、俺だって嫌だ。他のみんなだって同じはず。
 仮に聖杯を手に入れたとしても、めぐみが不幸になるだけだ。それなのに、どうしてめぐみは俺の前で笑顔を見せているのか。
 そんな疑問に答えるように、めぐみは俺を見つめている。

「あたしも、誰かを傷付けるなんて嫌だよ。そんなことをして幸せになっても、本当の意味で幸せになれないから」
「じゃあ、何で笑っているんだよ?」
「誠司がいるから!」
「……えっ?」

 当たり前のように答えるめぐみに、俺は目を丸くする。

「だって、誠司がマスターだからあたしわかるの。誠司は理由もなく誰かを傷付けたりなんかしないし、誰かを不幸にする願いを持つわけがないって……誠司だったら、みんなを幸せをできる願いを持ってくれるって信じてるの!」
「めぐみ……」
「誠司がマスターになってくれてよかったって本当に思うんだ! 本当に……本当に、ありがとう!」

 その満面の笑みはとても眩い。空に浮かぶ奇妙な月どころか、世界全てを照らす太陽よりも輝いて見えた。
 ずっと昔から見てきた大切な笑顔。この笑顔を守りたいと思ったから、強くなりたいと願うようになった。その為に氷川道場に入門して、そしてプリキュアの活動を手伝うようにもなった。

「あたしの願いは……みんなを幸せでいっぱいにすること。誰も不幸にすることのないよう、一生懸命に頑張ること! その為に、誠司と一緒に頑張りたいんだ!」
「俺も同じだ。俺も、めぐみも、ひめ達も、街のみんなも、みんなが幸せでいられる世界で一緒に生きたい……それが俺の願いだ」
「誠司……! やっぱり、誠司も同じなんだね!」
「当たり前だろ」

 どうやら、今更聞くまでもなかったみたいだ。
 俺もめぐみも同じ願いを持ってる……お互いの想いをぶつけ合ったあの時から、とっくに分かりきったことだ。
 自分だけじゃなく、他のみんなも幸せになれるように頑張る。これが俺達の心からの想い……イノセントな想いだ。

「さて、その為に頑張るのはいいけど……簡単にはいかないだろうな。聖杯を手に入れる為なら、手段を選ばない奴だっているはずだから油断は出来ないぜ」

 俺はめぐみに釘を刺す。
 いくら俺達がみんなを幸せにしたいと願っても、そんな簡単にいけるほど世界は優しくない。悲しいことに、周りがいくら平和になっても不幸な事件は起こる。
 第一、幻影帝国だって世界中を滅茶苦茶にしていた。もしも幻影帝国みたいに非道な奴らがいたら、どんな汚い手でも使うはずだ。そんな奴が聖杯を手に入れてしまったら、また世界は最悪でいっぱいになるかもしれない。
 それだけは絶対に止めなければいけなかった。

「絶対に一人で突っ走ったりなんかするなよ。何かあってからじゃ遅いからな」
「大丈夫! あたしは誠司から離れないから!」
「本当かよ」
「本当だよ! 絶対に本当! あたしはサーヴァントだから、マスターを守らないといけないし!」
「……わかった。そこまで言うなら、絶対に勝手なことをするな。いいな?」
「うん!」

 めぐみは俯いてくれるが、俺は不安だった。
 めぐみは優しいし、人を滅多に疑わない。人を信じるのは素晴らしい事だけど、そこに漬け込む奴だって当たり前のようにいる。めぐみが狙われる危険だって充分にあった。
 誰か困った人を助けようとめぐみが一人で突っ込んで、それが原因でトラブルだって起きるかもしれない。昔から無鉄砲なめぐみだから、どうしても不安になる。
 だけど、ここまで言ってくれるのだから、疑う訳にもいかなかった。

「それじゃあ誠司、一緒に頑張ろうね!」
「……オッス!」

 心から信頼してくれているめぐみに、俺はそう答える。
 俺はマスターになって、めぐみは俺のサーヴァントになってしまった。だけど、めぐみは俺の家来なんかじゃない。めぐみは俺にとって家族のような存在で、そして大切な女の子だ。
 例え世界や立場が変わったとしても、俺達の関係は変わらない。いや、変わってはいけないんだ。だから俺達は同じ願いを持てている。
 これから先、どうなるのかはまだわからない。だけど隣には大切な女の子がいるから、負ける訳にはいかなかった。
 俺達も、そして他のみんなも幸せになる為にも…………

【クラス】
 アーチャー


【真名】
 愛乃めぐみ@ハピネスチャージプリキュア!

【パラメーター】
(通常時)
 筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:E 幸運:B 宝具:E


(キュアラブリーへの変身後)
 筋力:B 耐久:C+ 敏捷:B 魔力:C 幸運:A+ 宝具:C


【属性】
秩序・善

【クラススキル】
 対魔力:E
 魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

(キュアラブリーへの変身後)
 対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術・儀礼呪法など大がかりな魔術は防げない。

 単独行動:D
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクDならば、マスターを失ってから半日間現界可能。


【保有スキル】
 愛の光:C
 不幸を浄化し、幸せを生み出す光。
 精霊はプリキュアの力を高めていて、ラブリーは愛の精霊ポポが愛の炎パワーを与えてくれる。(注:この設定は本編に出ておらず、バ○ダ○より発売されたハピネスチャージプリキュア!  キュアラインで描写されている)

 心からの気持ち(イノセント):B
 誰かを傷付けることはあるかもしれないけど、人助けを止めたくない。そんな心からの想いに反応して、更なる力をプリキュアに与える。
 その気持ちに反応して新たなるプリカードが生まれて、イノセントフォームに進化することができる。

【宝具】
『世界に広がる巨大な愛(キュアラブリー)』
 ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1人
 愛乃めぐみがプリチェンミラーとプリカードを使用することで、愛のプリキュア・キュアラブリーに変身できる。
 凄まじい身体能力を発揮する他、癒しの力で敵を浄化することも可能。キュアラブリーはこの力を発揮して、多くの幸せを守り抜いた。
 また、その力をバットや剣などに変えることができる他、数多くあるプリカードを使用することでフォームチェンジをし、それに合わせた必殺技も発動できる。

『心からの想いを生み出す奇跡(シャイニングメイクドレッサー)』
 ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1
 アクシアの箱の真の姿であり、巨大な闇を浄化する力を持つ。
 プリキュア達のイノセントな想いに反応してイノセントフォームのプリカードを生み出し、その他にもプリキュア達が力を合わせて合体技・ハピネスビッグバン及びプリキュア イノセントプリフィケーションを使用できる。
 お化粧にも使える。

『勇気が生まれる愛(スーパーハピネスラブリー)』
 ランク:A 種別:対人宝具(自身)レンジ:- 最大捕捉:1人
 つむぎとの絆を結び、世界中の愛を集めたキュアラブリーがシャイニングメイクドレッサーに祈りを込めたことで進化した奇跡の姿。
 キュアラブリーの強化形態のひとつであり、全てのパラメータが1段階上昇する。
 世界中を不幸で満たそうと企み、クイーンミラージュを上回る存在となったブラックファングと互角に戦える戦闘力を誇る。キュアプリンセス・キュアハニー・キュアフォーチュンと力を合わせて『プリキュア・ミラクルラブモーション』を放ち、ブラックファングを浄化して世界に平和を取り戻した。

『世界を照らす永遠の愛(フォーエバーラブリー)』
 ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:- 最大捕捉:1人
 赤い星の神・レッドを救いたいという想いから世界中の愛が集まり、新たなに生まれたプリカードをキュアラブリーが使用したことで進化した奇跡の姿。
 キュアラブリーの最強形態であり、全てのパラメータが2段階上昇する。
 その戦闘力はレッドと互角に戦えるほど。必殺技の『プリキュア・フォーエバーハピネスシャワー』でレッドの憎しみを浄化して、彼の心に秘める愛を取り戻した。

【weapon】
 プリチェンミラー、プリカード

【人物背景】
 アニメ「ハピネスチャージプリキュア!」の主人公。キャストは中島愛。
 ぴかりが丘学園に通う中学2年生の少女。いつも前向きで元気いっぱいであり、人助けが大好き。幼い頃から病弱の母・愛乃かおりを助ける為に頑張っていたので、家事も一通りできるようになった。また、手話もできる。
 自分の気持ちを「こころの歌」として楽しく歌い、嬉しい気持ちでいっぱいになると「幸せハピネス!」と大きく口にする。 
 他人の長所を見つけるのは得意で、一度信じた相手のことを決して疑わない。その反面、相手の気持ちを汲み取ることが苦手で、自分の善意を押しつけてしまう欠点もある。
 彼女の人助けが好きな理由は「誰かに愛されたいから」という一面もあり、無意識の内に自己満足で誰かを助けていて、アンラブリーからそのことを糾弾された。また、自分のせいで誰かが傷付いたことを知ってしまうと心が折れてしまい、つむぎや誠司のことを理解しなかったことを悔んでいた。
 何度か絶望に陥るも仲間達の励ましで乗り越えて、そこからどんどん成長しながら自分自身の幸せにも考えるようになった。その果てにめぐみは「ぴかりが丘でみんなと幸せにくらして、家族と友達と誠司と一緒に生きていきたい」という本当の願いを見つけた。 


【サーヴァントとしての願い】
みんなと、そして誠司が幸せになれるように頑張る。

【方針】
 今は誠司を守りながら、みんなの為にどうすればいいのかを考える。



【マスター】
相楽誠司@ハピネスチャージプリキュア!


【マスターとしての願い】
 めぐみをフォローしながらみんなが幸せになれる方法を見つける。

【weapon】
 なし。強いて言うなら武術。

【能力・技能】
 氷川流道場に幼い頃から通っていたおかげで、チョイアーク達と戦える程度には強い。また、チョイアーク達のビームを一斉に浴びても生きているので、それなりの耐久力もあるかもしれない。
 また、レッドによって憎しみの結晶を植え付けられた際にダーク誠司となり、プリキュア4人と互角に戦うほどの戦闘力を発揮した。
 勉強や家事も人並み以上にできる。

【人物背景】
 ぴかりが丘学園に通う中学2年生の少年。キャストは金本涼輔。(少年時は菅谷弥生)
 正義感はとても強く、テストで学年2位になれるほど勉強も出来て格闘技が強い。
 めぐみとは生まれた時からの付き合いであり、お互いのことを深く理解している関係だった。当初は兄妹みたいなものと考えていたが、めぐみが地球の神・ブルーに好意を持つようになったことをきっかけで、めぐみを好きだったことに気付く。
 めぐみには幸せになって欲しいが、めぐみと離れたくない。悩んでいるめぐみの力になれない……そんな葛藤が続き、そこをレッドに付け込まれて憎しみの結晶を植え付けられてしまう。
 憎しみの力でプリキュア達を追い詰めるも、キュアラブリーが本気の想いをぶつけたことで心を取り戻し、プリキュア・イノセントプリフィケーションの力で憎しみから解放された。

【方針】
 できるなら犠牲を出さないで願いを叶えたい。その為にどうすればいいのかを考える。
 悪人には立ち向かうが、そうじゃない相手なら話をしたい。

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最終更新:2015年01月25日 11:43